子どもを成長させるには、競わせた方がいいのだろうか?
スポーツでも勉強でも、「ライバルを作れば伸びる」「負けず嫌いの方が強くなる」とよく言われます。
もちろん、それで力を発揮する子もいます。
でも先日、ある高校3年生のスイマーと話をしていて、「子どもへの関わり方」にも通じる大切なことを改めて考えさせられました。
今年、高校3年生になる一人のスイマーのリハビリを担当しています。
実はこの子との出会いは小学6年生。
足首の痛みがなかなか治らず、当院を受診したことがきっかけでした。
それから約6年。
練習量が増えるたびに、腰や肩など様々な痛みが出て、そのたびにリハビリを担当してきました。
高校生活もいよいよ最後。
高校で競泳は一区切りにすると決めていて、今はインターハイ出場を目指して最後のシーズンを過ごしています。
この子には、一つ特徴があります。
それは競うことや戦うことがあまり好きではないということです。
「負けたくない」と強く思うタイプではありません。
だからといって、水泳が嫌いなわけではありません。
むしろ、水泳は大好き。
毎日の練習は楽しいし、他の選手のレースを見るのも好きだと言います。
競技スポーツでは、「勝ちたい」という気持ちが大きな武器になることがあります。
だから私は勝手に、「競泳選手ならみんな闘争心が強いもの」と思い込んでいました。
でも、この子は違いました。
それでもここまで競技を続け、高いレベルで努力を積み重ねてきたのです。
そこで改めて思いました。
その子は何を原動力に頑張っているのか。
これは、本人に聞いてみなければ分からないことです。
周りが勝手に「きっと勝ちたいんだろう」と決めつけても、本当のモチベーションは別のところにあるかもしれません。
「泳ぐことが好きだから。」
「昨日の自分を超えたいから。」
「仲間と一緒に練習する時間が楽しいから。」
人によって頑張る理由は、本当に違います。
これは子育てでも同じだと思います。
「競わせた方が伸びる。」
「たくさん褒めれば伸びる。」
そんな情報を目にすることがあります。
もちろん、それでうまくいく子もいます。
でも、すべての子に当てはまるわけではありません。
競争が力になる子もいれば、プレッシャーになってしまう子もいます。
褒められて伸びる子もいれば、静かに見守られる方が安心して挑戦できる子もいます。
大切なのは、「どの方法が正しいか」ではなく、
目の前の子には、何が合っているのか。
その子をよく観察して、話を聞いて、その子らしい頑張り方を見つけていくこと。
親も指導者も、その姿勢を忘れないようにしたいと思いました。
私もこれから、RENやJINが何を大切にして頑張る子なのか、決めつけずに見守っていきたいと思います。
その答えは、きっと一人ひとり違うはずだから。

コメント